Sermoのライバル、プロフェッショナルSNSの「within3」

within3

新しいタイプの医療者SNSとして注目されるプロフェッショナルSNS。その代表格Sermoにライバルが出現した。within3は医師、医学研究者、医療機関等をネットワークし、プロフェッショナルな知識生産、共有、交換をはかるプロフェッショナルSNSである。

ではSermoとどこがどう違うのか?。まず、メンバー構成が違う。Sermoが個人メンバー主体であるのに対し、このwithin3はもちろん個人メンバーも存在するものの、どちらかと言えば医療機関、研究機関など組織団体コミュニティを丸ごとメンバーにしようという考え方らしい。いわば団体客誘致方式なので、「個人客一本釣り」よりも集客効率は良いだろう。

団体参加している顔ぶれは以下の面々

・Metron Health
・Fox Chase Cancer Center
・American Association of Technology in Psychiatry
・PrometeoNetwork
・Istituto Clinico Humanitas
・Harbor-UCLA Medical Center Department of Psychiatry Residency Training Program
・Tata Memorial Centre
・Reggio Calabria Bone Marrow Transplant Centre
・Klamath County Medical Society

この中でPrometeoNetworkは当ブログでも紹介したが、これ自体がイタリアの医療プロフェッショナルSNSであり、いわばSNS同士で提携して「メタSNS」を作っているような関係。単一SNSで自己完結するのではなく、他のSNSと複数提携することで、より一層ワイドなネットワークへ発展するという道も、今後のSNS進化を考える際に重要なポイントだと思われる。

ビジネスモデルだが、主な収入源は組織団体からの参加料とクライアント企業からのフィーの二本立て。前者はわかるのだが、後者のクライアント企業フィーがサイト上の説明だけではいまいちわかりにくい。

なお、このwithin3は今年初めにローンチされており、現在、登録メンバー数は「数千人」で、「三か月ごとに倍増」とのことである。

Sermoと比べると、なんとなく、このwithin3のほうが「web1.0の尻尾」を残しているような印象を与えられた。その印象は、どうやら個人ではなく組織団体誘致という集客方法からくるものと思われる。たしかに、病院単位や研究所単位で参加契約を取れば、てっとり早く数字的には会員を増やすことができる。だがそれは額面上の「会員数」であっても、アクティブ・ユーザー数ではない。組織団体のリアルコミュニティが、そっくりそのままSNSへ移行するとは考えにくい。

はたして所属組織団体がSNSに加盟したからといって、その組織団体メンバーがSNS活動モチベーションを自然に持つものだろうか?。このことは昨日のエントリーで取り上げた患者会SNSにも言える。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>