次世代wikiを予感させる”Wiki Professionals”

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最近、Web2.0の今後や次世代ウェブを論じるエントリーを目にする機会が増えている。当方が愛読している”Read/WriteWeb”の今日のエントリー“10 Future Web Trends”でも、次世代ウェブを考える上で外せない主なトレンドを取り上げている。

この「10のトレンド」の最初に取り上げられているのが「セマンティク・ウェブ」であり、これは他の次世代ウェブ論議にも必ず出てくる定番である。

「マシンがマシンと会話するウェブ」とか「セマンティク・ウェブのコアアイデアは、データを記述するメタデータを作り、物事の意味をコンピュータに扱えるようにすることだ」などと説明されるセマンティク・ウェブ。特に医療との親和性がt高いのではとの指摘もあり、最近、医療分野での活用が期待されはじめた。

だが、まだこれらの動きは一部にとどまる。何と言っても、

web2.0+医療=Health2.0

というムーブメント自体がまだ始まったばかりであり、これからその成果が問われる段階にある。とりわけ日本において医療関連のWeb利用のほとんどが、いまだweb1.0の発想にとどまっているのが現状である。だから当面の課題は、Health2.0の発想を持った新しいサービスをどんどん開発して世に送り出すことにある。

当方開発中のTOBYOも、いろいろなトラブルで随分と遅れてしまったが、とにかく早く起動すべく奮闘中。

これらの状況にあるとはいえ、やっぱり未来のことを語るのはワクワクして楽しい。次世代ウェブと言われるセマンティク・ウェブであるが、そのコンセプトや基本技術は長年にわたり議論され尽くした感もある。「理屈はわかったけど、そいつは、いつになったら実現するのか?」という声も多い。

ところでセマンティク・ウェブを構成するパーツはすでに出ていると言われる。RDF、OWL、マイクロフォーマットなど。またPowerSetのような意味ベースの検索エンジンも次世代ウェブを志向するものだろう。

そして、医療分野における次世代ウェブ型の集合知ツールとして注目されているのが“Wiki Professionals”。今回、ウェブ上のデスクトップ機能を強化してきた。その新しい機能については、デモアニメーションをお試しあれ。これまでの集合知ツールとはコンセプトもUIもかなり違うものになっている。

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「Wiki Professionalsは、リアルタイムな知識の交換と探索を実現するインターネット上のワークプレイス。このワークプレイスのコア機能は新しく考案された『セマンティクWiki』。このセマンティクWikiは,新しいリレーショナル・メディアWiki(リレーショナルDB構造において編集できるWiki)を『Knowlet』と呼ぶテキスト解析技術と結びつけたものである」。

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データベース機能を強化したWikiには、Medlineをはじめ多数の著名なソースからデータをアグリゲートしているようだ。Wiki Professionalsは、これらの既存知識データとユーザー生成知識を組み合わせ、セマンティク・ウェブの考え方に基づいた知識創発をめざしている。今後の展開に注目したい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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