医療ツーリズムのマッチングサイト”Reva Health Network”

revahealth
国境を越えて自分にあった医療機関を選択する医療ツーリズムが台頭してきているが、アイルランドから医療ツーリズム専門サイト“Reva Health Network”が登場した。

医療ツーリズムは、近年、海外から患者を集客しようと各国政府や医療機関が注力している。特にインドやマレーシアなど南アジアでは、主として欧米の消費者をターゲットに、「自国の医療よりも割安でハイクオリティ」という訴求切り口で積極的にプロモートが開始されてきた。観光とセットにしたツアーなど、より魅力的な商品開発も盛んである。

だが、経済統合へ進み国境の壁を低くしたEU各国では、「より安い医療」を求めて自国消費者が他国へ殺到することを警戒し、これら医療ツーリズムに規制を設けようとの動きも出てきている。自国医療が崩壊しかねないとの不安が持たれているのである。

“Reva Health Network”は、国境を越えて消費者と医療機関を繋ぐマッチングビジネスに徹している。あくまでも、個々の消費者ニーズ(行きたい国、利用医療サービス、利用価格)と、医療機関側の医療提供情報(提供診療科目、特徴、価格等)が出会う場としてサイトを開設しており、特定の医療ツアーをパッケージ開発して売り込むようなビジネスではない。

主な”Reva Health Network”の医療メニューを見ると、歯科、整形外科、不妊、眼科、耳鼻科、心臓外科、泌尿器科など、今のところやはり特定の科目に偏りがあるようだ。

またユーザーのサイト利用はすべて無料であり、医療機関側もサイト登録は無料。ただ、医療機関は、サイト内プロモーション設定時とユーザーコンタクト情報の購入時に費用が発生する仕組みのようだ。

最近では、南アジアのみならず、米国でも医療ツーリズムに注力しようという気運が高まっている。米国が難病手術など高度先端医療において、世界最強の技術競争力を持つと自負しているからだ。

日本ではまだあまり聞かない医療ツーリズムだが、一部では高額所得者などが海外で医療を受ける例は増加している。今後は先端医療のみならず、価格選好で海外医療を選択する可能性は大きい。消費者にとっては、医療の選択肢が増えるわけだから歓迎すべきことだろう。医療も国際競争の時代となった。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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