JC(旧JCAHO)の医療クオリティ改善Wiki”WikiHealthCare”

wikihealthcare

JCAHOが改称し,単なるJC(The Joint Commission)と名乗ることになったようだ。たしかに以前のフルネームは長すぎ。(Joint Commission of Accrediation For Health Organization)。そしてこのたび,医療クオリティ改善のための情報共有サイト“WikiHealthCare”がJCから立ち上がった。

JCは1951年にJCAHとしてスタートして以来、世界の医療評価と医療クオリティ改善の先導役として活躍してきた。今日の日本医療機能評価機構もJCの諸成果から出発しており、JCの日本版と言っても過言ではない。

そのJCがピアプロダクションを取り入れ、医療クオリティ改善のためにWikiを活用する。そういえば、これまで官庁や非営利組織の原案作成とか意見集約などのやりかたを見ていると、閉鎖的な「検討会」など少数の「身内」だけの会でたたき台をつくり、できたものを「パブリックコメント」など形式的手続きだけで済ませているのが一般的であった。

これは「ストラクチャー、プロセス、アウトカム」のドナベディアン・フレームワークで見ると以下のように要約される。

・ストラクチャー: 異論排除の身内型メンバー構成。: ポイントは「身内」
・プロセス: 事務局主導進行で議事追認: ポイントは「要領」
・アウトカム: 役人作文を形式的に公開: ポイントは「形式」

このような悪弊を、そのまま真似してしまう非営利団体もあるのだから、「官僚主義」とは、どこでも繁殖するしぶとさを備えているらしい。それよりも、こんなことでは画期的で斬新な計画が生まれてくる望みは薄い。アイデア生産性が低いのは一目瞭然である。

今後は、このJCの新サイトのように、ピアプロダクションやマスコラボレーションをビルトインしたコミュニティを、どのように生み出すかが課題となるだろう。だが、「権威と手続き」だけが重用される文化を変えなければ、無理かもしれない。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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