医療現場へ浸透するWeb2.0


(by John Sharp)

昨日エントリーでは、医学教育へWeb2.0を活用していこうという動きを紹介した。さて、先行するWeb2.0に触発され、Health2.0などの動きが医療分野でも出てきているのだが、改めて考えて見ると、そこには「TOBYO」のような患者側に立脚点を置いたサービスと、医療現場に浸透し活用されていくサービスの二つの方向がある。

昨日の例など医療現場で活用されるものだが、最近、どうやらこのような医療者自身による2.0のプロモートと実験試行が増えてきたように思える。だが、残念ながらこれもあくまで海外の話である。日本医療業界の反応は鈍い。医師ブログは大量に存在するが、では実際に自分の医療現場で2.0を実践して見よう、とはならないらしい。数少ない事例として「Melit」があるくらいで、非常にさびしい。

日本でも、誰かがどこかのカンファレンスや学会で2.0の発表をしていると信じたいのだが、トンと聞こえてこない。今日紹介するのは、先週オハイオ州で開催されたあるカンファランスで発表されたプレゼンテーション。

前回のハンガリー医学生のプレゼンテーションもそうであったが、とりたてて新しい独創的な知見が示されているわけでもないのだが、web2.0のコアコンセプトと事例を的確に要約し、応用の可能性を丁寧に説明している。すでに知っている人には多少退屈だろうが、まだ啓蒙段階にある2.0を自分が伝道師となって啓蒙していこうというポジティブな姿勢が感じられる。日本なら予想される「もう知ってるよ。わかりきったこと言うなよ」などと構えるシニシズムが微塵もないところがエライ。

あらゆることの啓蒙段階には、「わかりきったこと」を臆面もなく、丁寧に反復説明できる根気強い人間が必要なのだ。なので、このブログではこのようなプレゼン資料も発見しだい採録していきたい。

「日本の反応の鈍さ」を言ったが、これは医療業界だけのことではない。もっと医療を取り巻くいろんな場所から、いろんな視点で「Web2.0-Health2.0」ということがさまざまに提起され論じられて欲しい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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