新たな統合環境型PHRを目指すMedCommons

以前のエントリーで、Google副社長にして医療部門責任者であるアダム・ボスワース氏の発言をいくつか紹介してきた。その中で、ボスワース氏が母親の病気に触れた話の中で、「患者URL」という言葉を使っていたことを覚えておられるだろうか?。おそらくアダム・ボスワース氏のこの言葉をヒントにしてであろうが、”Health URL”という言葉を前面に出した新しいPHRサービスMedCommonsがこの春からスタートしている。プロモーション・ムービーをご覧あれ。

このPHRが掲げるユーザー・ベネフィットは以下のとおり。

・現在のあなたの臨床状態の完全なる要約。子供時代の予防接種から慢性疾患に至る生涯健康データマネジメント
・患者のコントロールの下で、医師達、ヘルスコーチ達、そして家族から便利にアクセスできるセキュアなウェブページ
・保険会社や雇用者から独立しているので、どんな単一の提供者からも拘束されない

「ヘルス・コーチ」とは耳慣れない言葉だが、「21世紀の医療チーム」としてMedCommonsが想定している関係者があり、それは以下のようなメンバーになるらしい。

・患者
・代理人:親、成人した子供
・スペシャリスト:(例)心臓内科医、整形外科医
・コンサルタント:放射線科医
・プライマリーケア医師:家庭医、小児科医
・ヘルス・コーチ:雇用者、保険者
・ウェブ・リソース:Wikipedia、掲示板

またMedCommonsは主として次のような機能を提供している。

・患者によるPHRの作成
・医療者によるPHRの作成、編集
・セキュアーなメッセージングとファックスのサービス
・血圧計、血糖測定器など外部デバイス対応
・電話、Googleガジェット
・DICOM、放射線医学対応
・適切な参考資料

他のPHRとの機能上の違いは、医療現場で発生するさまざまな医療データに対応するために、IHEやDICOMなど、多数のデータ基準に対応していることである。そしてMedCommonsの外部にあるウェブリソースも参照できるなど、このMedCommonsは患者医療データをコアに持つ医療情報の統合環境と見ることも出来る。

機能は豊富でよく考えられているのだが、もっとユーザーに分かりやすく、印象的に説明できないものだろうか。マーケティングの稚拙さが課題になる。


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