闘病者のためのWebサービス

さて、現在開発中の「TOBYO」。そもそも、この「TOBYO」って何だ?。
「TOBYO」は「トビョ」ではなく、「トービョー」と読んでください。つまり「闘病」のことですね。しかし「闘病」と書くと画数が多く、何か暗く、重すぎるイメージがあります。できれば、従来とは違う新しいイメージでもって、「病と闘う=闘病」ということをとらえ直したいと、あえてアルファベット表記の「TOBYO」にしてみたわけです。

それから、「闘病する人」のことを「闘病者」と呼びますが、私たちがこの「TOBYO」プロジェクトのユーザー像として、まず第一番に想定しているのがこの「闘病者」です。ここ数年来、医療の世界では「患者中心の医療」とか「患者本位の医療」とかのスローガンが、しきりに叫ばれてきました。もちろんスローガン倒れでなく、これらが字句通りに実践されているなら結構なことです。 しかし、「闘病」という観点から見ると、なにも患者だけが当事者ではありません。実際には家族、親戚、友人、知人など、患者を取り巻く多くの人々が、患者と共に病気と闘うことになります。つまり患者を含め、さまざまな患者の関係者が「闘病者」として闘病活動に参画し、体験することになるのです。

この闘病者体験に着目し、これを共有する仕組みができないものだろうか。これが「TOBYO」の起点にある原発想でした。闘病者が実際に体験した事実を集め、共有し、それを次の闘病者に活用してもらう。これは従来なら、リアル世界のクチコミによって担われていたものです。たしかにクチコミは、「良い病院、良い医師、良い治療法」の情報を求める闘病者にとって、数少ないとは言え最も信頼のおける情報源でありました。

今日、リアルのクチコミは、Web上のクチコミへと大規模に代替されつつあります。そして、以前の「コマンド&コントロール」(命令と統制)と呼ばれた縦方向のリニアなコミュニケーション・スタイルではない、横方向へ広がり伝播するようなユーザー主体のコミュニケーション・スタイルが一般的になってきました。まさに、「The market is conversation.」(Tara Hunt)と言われるような事態が起きています。

「TOBYO」は、このような新しい動向を積極的に評価し、採り入れながら、闘病者に役立つサービスをめざしていきます。

三宅 啓


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